セックスレスで悩んでいるけれどもなかなか前に進めない・・・というような時には、
「なぜ前に進めないのだろう」
と考える事はよくありますよね。
セックスレスで悩んでいる時には、
「少しセックスをしてくれるだけでもこちらはとてもうれしいのに、あなたはそれすらも嫌なの?よほど私の(僕の)事が嫌いか、セックスが嫌いなの?」
というような事を思う人も多いのではないでしょうか。
ただ 実は、セックスが嫌いなわけでも、こちらの事が嫌いなわけでもない場合というのは多いわけです。
そしてこの考えには、重要な要点も含まれています。
極端な話として、相手に対して、
「毎日2時間たっぷりとしっかりとしたセックスをしてほしい」
と頼んだとしたならば、そのセックスをする「労力」だけをとっても大変なので断られることがあるのもしょうがないかもしれません。
しかし、大抵は相手に対してそういう大きな要求をしているわけではありませんよね。
「少しのことでもこちらはとてもうれしいのに」
と思うことが多いものです。
実際にこちらが相手に望んでいるセックスに関しての「労力」というものを考えてみると、それは大したことではないように思えます。
日常生活の中ではセックス以外で相手が普通に労力を使っている事柄が色々あります。
男性女性に限らずたとえば、家事、買い物、子供の世話、ちょっとした趣味、などなど。
こちらが望んでいるセックスに比べたらより大きな労力となるそういった事は普通に行動しているのに、セックスとなると相手は少しの労力も提供しようとしてくれない・・・。
それはよくあることですが、それはなぜなのでしょうか。
それはよほどこちらの事が嫌いか、セックス自体が嫌いか、と考えたくもなってしまいます。
ただ、実際にどちらも嫌いではないという場合も多くあります。
どちらも嫌いではないとしたならば、どうしてでしょうか。
そもそもセックスレスというのは、前に進めない理由が見えにくいことが多いというのが言えるものです。
本当の理由は裏に隠れていることがよくあります。
たとえば、
「妻が子供の世話に忙しくてセックスをしてくれない」
という時に、目の前に見える理由としては
「子供の世話による疲れ」
「時間のなさ」
などが考えられるでしょう。
もちろん、これらのことは二人のセックスに影響はあるでしょうが、それよりも実は本当の理由がその裏にあることがよくあります。
そういった
「気付きにくい本当の理由」
というのは状況によっていくつもあります。
それはどんなことでしょうか。いくつか挙げてみます。
普段見えにくい本当の原因としてまずとてもよくある一つが、
「与えられないから与えない」
というものです。
たとえば夫婦の妻が子育てに大変さを感じていて、忙しいながらもセックスを出来ないわけではないのですが、妻が普段望んでいる
「子育ての悩みを夫に聞いてほしい」
「たまに子育てから解放される休日がほしい」
というようなことを夫が与えてくれようとしない不満を感じていたりしますと、
「自分は与えてもらえないのだから、夫にも与えたくない」
と考えたくなってしまいます。
それによって、セックスをする時間があるかどうかや自分がセックスをしたいかどうかなどに関わらず、拒否をするようになります。
ですからこういった時には、セックスが出来る時間を作ったり妻の性欲を高めようとしたりしても効果が発生せず、がんばってもなかなか前に進めなくなってしまいます。
そしてこういった時に拒否する人は
「あなたが私の望みを提供してくれないから、私もあなたに提供したくないのだ。」
というその理屈をはっきりと伝えることがあまりないまま、実際の行動としては「ただセックスを拒否する」ということだけをする場合が多いため、拒否されている側としては理由がわからないことも多くなります。
見えにくい本当の原因として2つめは
「セックスの選択肢が持てないこと」
です。
そもそも、「セックスをする」と一言で言いましても、どのくらいの時間をかけて、どのような内容のセックスをするのかというのは、カップルごとに様々ですよね。
でも、ある一つのカップルだけを見ました時には、何となくそのカップルなりの
「いつものセックス」
という形があって、大体いつもそれをすることになるというカップルは多いでしょう。
これはもちろん普通のことですが、ただ、そのままだけですとセックスレスにつながる要素が発生しやすい
ということもあります。
たとえば、あるカップルのセックスが「いつものセックス」1種類だけしかないという状態ですと、それは言い換えますと、
「そのセックスが出来る時だけしかその二人にはセックスが実現しない」
ということになります。
つまり、
疲れていたり時間があまりない時には「いつも出来ない」ということになります。
仮に、いつものセックスが1時間くらいかかるものであったとしますと、
「40分しか時間がない」
という時にはセックスをあきらめるしかありません。
しかし、この二人がいつものセックスの他にもう一つ
「30分のセックス」
というセックスを持っていたならば、それを選択することでその時にも実現することができます。
そして今は時間の問題でしたが、他にも「やる気」の問題としてこれは大きなものがあります。
「いつものセックス」をしようというやる気がある時だけセックスが実現する、というのは、その機会を限定してしまいます。
色々な理由によってどうしてもやる気や性欲のレベルが昔よりも下がってしまって、二人の「いつものセックス」の実現に毎日ちょっと届かない、というだけでも、二人の状態は全くのセックスレスにもなってしまいます。
決して大げさでなくてもいいのですが、選択肢が二人の間にあるかどうか、というのはとても大きなところです。
見えにくい原因3つ目は、
「事前の問題」
です。
セックスレスは、セックス自体をどれだけ好きになれるか、などを大きく考えたくなりますが、実のところ、セックスをする際の事前の問題というのはとても大きなポイントとしてあるものです。
たとえば、男性が妻とセックスをしたいのだけれど、妻が忙しそうだったり疲れているような様子を見ることで、そもそも最初から男性は妻を誘うのをやめたくなってしまう、というのはあります。
これはどちらが悪いということより、男性は思っているよりも慎重であったり、二人の過去のやり取りの経験などから、そういった事実が発生していることが少なくありません。
結果的に夫の行動としては「何もしない」というだけですので、 夫が
「セックスがしたい」→「妻を誘おうかと思った」→「けれどもあきらめた」
という経緯を踏んだことを妻は全くわかりません。
ですから、妻としてはなぜ夫はいつも誘ってくれないのかがわからなかったり、私の事やセックスが好きではないのだろうと想像することが多いのです。
また他に、
セックス自体は嫌いではないし、してもいいのだけれど、するとなると時間も内容もたっぷりとした大げさなものになるかもしれないという事前の恐れからセックスを拒否したくなる、というパターンも小さくないところです。
細かい状況は様々にあるものですが、いずれにしましても、こういった時に
「セックスは好きか嫌いか」
という問いかけを相手にしたとしましても、大抵それは事前の問題を含めるか含めないかの区別をしませんので、「好きではない」という返事になってしまうこともあって、より理由がわかりずらかったりします。
見えにくい原因4つめは、
「拒否されたから拒否する」
です。
現在セックスは嫌いではないのだけれど、過去に相手から拒否をされた経験から、あえて相手を拒否をしたり、または相手にアプローチをしなくなったりする、というようなことです。
これは男女ともにありますが、特に男性がセックスレスになる理由として多いものの一つです。
ただ、こういった事で男性が拒否していても、女性側は特に拒否をした覚えが無い事も多く、なぜ彼が拒否をしたりセックスをしようとしないのかがわからなかったりします。
これは、拒否をされた悔しい思いや、相手はセックスを望んでいないだろうという思い込みなどがそこにありますし、その他、微妙な心理もからんできます。
そして、
男性がアプローチをやめてしまうことで、彼の愛情を感じられなくなった女性としても二人の関係に消極的になっていき、余計に男性はその傾向を強めてしまうという悪循環が生まれやすい状況です。
こういったように、
「過去に拒否された経験を抱えている」
「彼女は触れ合いを望んでいないと思い込む」
「彼女にアプローチをしにくいと男性が感じる」
などによって、
↓
「男性がアプローチや愛情を注がなくなる」
↓
「女性が彼の愛情を感じられず、消極的になる」
↓
「男性はよりアプローチをやめていく」
↓
「女性もさらに・・・」
というパターンが発生してしまう事はとても多いものです。
こういった時には、お互いに相手の変化や働きかけを望む気持ちを持っていますし、「どちらが悪いのか」といった話し合いもほとんど意味がなくなってしまいますので、関係がこう着した状態がずっと続いてしまいやすいものです。
ただ言いかえますと、男性も本当は彼女との触れ合いを望んでいるからこそ、そういった気持ちを抱くところがありますから、お互いに気持ちの奥では求めあっている状態とも考えられますので、残念にばかり思うこともありません。
見えにくい原因5つ目は、
「完璧な条件という無言のルール」
というポイントです。
特に二人で話し合った訳ではなくとも、「触れ合い」や「セックス」というのは
「色々な条件が完璧に整った時のみ実行するもの」
という無言のルールが二人の間にあるという感覚を持っているような感じの状態です。
お互いに、「時間もあって、体も疲れていなくて、気持ちもエッチな気分になれそうな」というように、
「セックスをする条件が完璧に整った時だけセックスはするもの」
というルールのようなものが知らぬ間に二人の間に感覚として存在していたりします。
そのことは、いくつもの状況にあらわれてきます。
たとえば、その条件が少しでも整わないだけで、
「今はセックスを選択肢に入れる時ではない」
と考えて、自分の中からセックスの感覚を取り除いたりします。
すると、最初にある程度セックスへの思いがあったとしてもそれを自らなくしてしまうわけです。
また、相手をセックスに誘おうとする時にもあてはまります。
セックスをしたい気持ちがあるので相手を誘おうかと思っても、相手が少し忙しそうであったりするとそれは誘ってはいけない状況であるので、すぐに誘うのをやめてしまうわけです。
条件が完璧に整う事が日々の日常でほとんどないとなると、その繰り返しの結果セックスレスにもなり、「夫はセックスをしたくないのだろう」と妻は思ったり、「なぜ夫はセックスをしようとしないのだろう」と妻はさびしく思うことにもなります。
夫は本当はセックスをしたい時もよくあるし、妻も夫から求められたいと思っているにもかかわらず、二人はセックスレスになっているわけです。
・・・・・・
ここまで見えにくい原因、というものをいくつも挙げましたが、これ以外にもまだあります。
そしてこれらから一つ言えますのは、想像するよりも、
必ずしも
「セックスをしたい気持ちがあれば二人はセックスに至る」
わけではない、
ということです。
そのため、
「セックスをしたい気持ちを高めよう」
という取り計らいが効果としてあらわれないことも多いのです。
でもその効果があらわれないのは
「セックスをしたくならないから」
ではなく、
「すでにセックスをしたい気持ちをもっているから」
こそである、という事も多いので、残念にばかり思う必要はないのです♪